高血圧とは

高血圧イメージ

血圧が高い状態が続くと高血圧と診断されます。血圧は心臓から血液が押し出されるときに血管壁にかかる圧力のことです。常に高い圧力が血管にかかると血管は固くなり、固くなった血管にはさらに高い圧力をかけて血液を送らなければならず、高い圧力を受けた血管壁はさらに固くなります。やがて動脈硬化と呼ばれる状態となり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血などの合併症を引き起こすようになります。
日本高血圧学会によると、高血圧の診断基準として、診療する外来時、収縮期血圧(高いほうの血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(低いほうの血圧)が90mmHg以上とされています。ところが皆さん、クリニックや病院で医師や看護師が血圧を測るときに緊張して血圧が高めに出ることがあります。「白衣高血圧」という名前で呼ばれるほど、よく起こることです。ですから、特に診察室での一度の測定では高血圧と診断せず、同じような条件で複数回行い、それでも基準を上回っていることが確認されたら高血圧と診断します。また、ご家庭での血圧測定を習慣にしていただき、参考にします。家庭血圧と言って、大変参考になります。高血圧の方には血圧ノートを差し上げる予定ですので、朝夕、チェックしましょう。皆さん、血圧をはじめとする、ご自分の体のコンディションに興味を持ちましょう。

高血圧の原因

実は高血圧、塩分の摂りすぎが原因になっていることが少なくありません。塩分は食生活の改善で減らすことができますし、そうすれば血圧は下がるのですが、「食習慣」といわれるように、食生活を変えるのはなかなか難しいことです。食物の中にはすでに塩分が含まれているので、食べるときにかける醬油などの添加塩は相当減らさないと血圧を下げるほどの塩分摂取量には達しません。奨められるのは一日6gですが、多い方だと一日30gも摂っています。味気ないくらい薄味にしないとなりません。しかしこれも慣れで、毎日の積み重ねで実現されます。
また、肥満自体も血圧をあげる因子です。肥満した体の隅々まで血液を送るために必要な圧力はやせた方よりも高くないとなりませんから。
このほか二次性高血圧といって、甲状腺や副腎の機能異常など他の病気が起因となって高血圧を発症することもあります。
二次性高血圧を除外し、塩分制限と、体重管理をすると、血圧が下がる方もいますが、それでもなかなか下がらない方もいます。体質ともいえるのですが、それが本態性高血圧と呼ばれるものです。

高血圧の症状

高血圧の自覚症状は、ほぼありません。急激に高くなった場合に肩こり、頭痛、倦怠感などを伴うことがありますが、多くの場合、特段の症状もなく健康診断などで指摘されます。高血圧を指摘されたら一度、当院を含む医療機関をご受診ください。動脈硬化を進める高血圧、静かに忍び寄ってきますが、予防も治療もできる疾患です。

治療について

高血圧の治療の一番の目的は、心筋梗塞や脳梗塞のような合併症を防ぐことで、そのためには血圧をしっかりコントロールすることが大切です。 まずは食習慣、運動習慣など、生活習慣の改善です。具体的な食習慣改善は減塩(1日6g未満)、栄養バランス、適正カロリーです。運動療法は急にきつい運動をするのではなく、軽く息が弾む程度の有酸素運動を行います。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどですが、毎日続けることが大切です。こうして生活習慣が改善されてきたら、今度はその維持をし、睡眠や休養を適切にとり、禁煙、節酒も心掛けていきましょう。
もちろんクリニックですから、降圧薬を用いた薬物療法を行います。